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レモン人気


秋から冬に向かう季節、かんきつ類が次々に旬を迎えます。2000年をピークに、かんきつ類全体の収穫量は減っていますが、その中で急速に伸びているのが「レモン」なのです。生産量トップの広島県では、露地もののグリーンレモンが収穫の時期を迎えています。

レモンサワーで乾杯!(イラスト)●需要高まる国産

ここ数年、レモンは一種のブームといえます。14年ごろ、レモンを塩に漬けて発酵させる「塩レモン」が紹介され、万能調味料として食卓に取り入れられるようになったのです。以来、レモンを使ったスイーツやスナックが人気で、最近では「レモンサワー」も注目の的です。

「市販の缶酎ハイで、レモンはもともと人気だったのが、ここ2〜3年で味のバリエーションがぐんと増えました。同じく居酒屋も、こぞって店オリジナルのレモンサワーをウリにするようになりました」と酒文化研究所の担当者は解説します。

レモンの原産地はヒマラヤで、今もインドが生産量1位です。日本では明治初期から栽培が始まり、主に瀬戸内海地方で生産されるようになりました。1964年に輸入が自由化され、生産量は一時激減。しかし、輸入レモンの防かび剤や防腐剤が問題視され、再び国産レモンの需要が高まってきました。90年以降はほぼ右肩上がりで、14年は90年の約5倍、1万トンの収穫量がありました。

生育には気象条件が限られており、国産の6割が広島県産です(14年)。「広島レモン」は08年、地域団体商標として認定され、ブランドとしても定着しつつあります。

「防腐剤を一切使わず、輸入ものに比べて糖度が高い。料理人からは『うまみがある』と評価される」と特徴を話すのは、JA広島果実連広島支所です。近年の人気で供給が追いつきませんが「寒さに弱くてリスクが高いので、生産量をただ増やすのも難しいです」と話します。

料理に使いやすいチリ産レモン(イラスト)●外国産も安全PR

現在、国内で流通する88%は輸入品で、その65%が米国産、次いで32%がチリ産です(15年)。チリは南半球最大の果物輸出国で、日本への輸出拡大にも力を入れます。

先ごろ来日したチリ果物輸出協会の担当者はレモンの旬が6〜9月。日本で露地ものが出回らない時期に届けられる」と強みを語ります。さらにチリ産レモンは皮が薄く、果汁が多くて種が少ないなど、使いやすさもポイントだとアピールしました。

気になるのは安全性です。チリのレモンは、国際水準のGAP(農業生産工程管理)の基準に沿って生産され、防かび剤は日本の厳しい基準値内での使用だそうです。「流水で洗えば皮も安心して使えます」と担当者は安全性を強調しました。

店頭での価格は、時期によって国産と外国産では2〜3倍の差があります。国産レモンにはなかなか手が出ないという人も多いかもしれません。かんきつを使うレシピが得意な料理研究家、尾田衣子(きぬこ)さんも「常に国産というわけにはいかず、普段は外国産を使うことも多いです」と話します。「皮ごと使う場合は、粗塩でもみ洗いしてから水洗いを」。それでも気になるなら「沸いた湯にさっと通してから水洗いをしましょう」。

●食べ方いろいろ

今年7月、「柑橘(かんきつ)料理の本」を出版した尾田さんに、レモンを食卓でより楽しむ方法を教えてもらいました。「発泡酒にレモンをしぼるだけでフレッシュなおいしさに。鍋の季節は、市販のポン酢の代わりに、しょうゆにレモン汁を加えてください」と尾田さん。

グリーンレモンは香りが強いので、皮をすってサラダや焼いた肉にふります。とっておきは、イカの刺し身にすった皮をふり、塩を添えて食べる方法。「イカのねっとり感に、グリーンレモンの爽やかな香りが絶妙に合います」と話します。

さらに今、一番のおすすめが、自ら考案した「みりんレモン」だ。レモン2個を細切りにして、みりん150ミリリットルと共に鍋に入れ、水分がなくなるまで時々混ぜながら20分ほど煮ます。「みりんの甘さは消え、レモンのうまみが強く残り、コクも増します」。そのまま食べてもいいし、トーストやヨーグルトにのせてもよいです。そばつゆに加えたり、焼いた肉に添えたりと、調味料としても使えます。

ひと昔前は、紅茶やフライに添えるだけだったレモン。可能性はこれからも広がりそうです。


毎日新聞生活報道部

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