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洗濯ひと手間 衣類長持ち


日々欠かせない洗濯。洗濯機に任せきりの家庭も多いのではないでしょうか。衣類を長持ちさせるためには、洗剤の使い分けなどのひと手間が必要です。

洗剤は使い分けて(イラスト)●洗剤は使い分けて

花王の山田勲主席研究員は、普段着を洗う一般的な洗剤(重質洗剤)と、デリケートな衣類を洗うおしゃれ着用洗剤(軽質洗剤)の2種類を用意することを勧めます。

重質洗剤は植物繊維の綿や麻、合成繊維のナイロンやポリエステルなどを洗濯機の標準コースで洗う時に使い、酵素や蛍光増白剤などが入っています。粉末と液体の2タイプがあり、粉末は弱アルカリ性で、泥汚れにも皮脂汚れにも強く万能です。液体は弱酸性、中性、弱アルカリ性があります。小さい子どもがいて汚れものが多い家庭は、安価なものでいいので粉末洗剤が一つあれば便利です。一方、軽質洗剤は中性のみで、動物繊維の毛や絹、軽い汚れのものをドライコースや手洗いコースで洗う時に使います。水道水に含まれる塩素で衣類が変色する場合もあるため、塩素の影響を防ぐための成分も配合されています。

ニットやカーディガンを軽質洗剤で洗うとシワが出ず、縮んだりよれたりもしません。形を整えて干せばアイロンは不要です。綿などの普段着も、最初は軽質洗剤で洗濯し、何度か着たら重質洗剤で洗うようにするといいでしょう。「新品の服は最初の5〜6回を軽質洗剤で洗えばもちが良くなります」と山田さん。デニム地の衣類はゴワゴワせずなめらかに仕上がり、風合いも保てます。クリーニングに出す人が多いワイシャツも、襟や袖など汚れが目立つ部分には直接塗布し、たたんで洗濯ネットに入れて洗えばシワもあまり出ません。

動物繊維はアルカリに弱いので中性洗剤を使いますが、同じ中性でも液体重質洗剤は使わない方がいいでしょう。ほとんどの液体重質洗剤には酵素が含まれており、毛や絹の主成分のたんぱく質が酵素によって分解されて生地がダメージを受け破れやすくなったり毛が抜けやすくなったりするからです。

●着たら早めに洗う

たとえ短い時間しか着ていなくても衣服には必ず汚れが付きます。洗剤や化学品メーカーなどでつくる業界団体「日本石鹸(せっけん)洗剤工業会」(東京都中央区)によると、肌着に付着する汚れの内訳は▽皮脂や角質50〜60%▽汗20%前後▽ほこりなど外部からのもの20〜30%。1日着た肌着を分析した結果、約2グラムの皮脂が付着していました。汚れは時間がたつと繊維との結びつきが強くなって落ちにくくなるので、なるべく早く洗濯するよう心がけたいものです。下着などは重質洗剤で、上着は軽質洗剤で洗います。

スカートやズボンは直接肌に触れますが、皮脂が出やすいのは背中や脇など汗腺がある部位なので、下着ほどは汚れません。けれど、皮脂汚れや汗がついた衣服を、洗濯槽の中やかごにためておくのは禁物です。特に高温多湿の時期は細菌が汚れを栄養にして増殖し、嫌な臭いやカビが発生しやすくなります。着用した当日、もしくは翌朝洗うのがお勧めです。

また、洗剤の使用量も気をつけたいものです。目安の7割以下の量では洗浄力が落ち、衣類の黒ずみや臭いの原因になりやすいです。一方、適量より多くても洗浄力にはあまり変化がなく、洗剤が無駄になります。同工業会が2015年に首都圏の20〜50代女性を対象にした調査では、目安の7割以下の量しか使わない人は約12%、ドラム式機では約25%に上りました。

部屋干しの時は扇風機を回そう(イラスト)●部屋干しは換気も

梅雨の時期、部屋干しする時はこぶし一つ分ぐらいの間隔をあけて衣類を干し、湿気がこもらないように換気扇や扇風機を回すなどして部屋の空気を入れ替えると乾きやすくなります。トレーナーやパーカは逆さにして腕や帽子部分が重ならないようにするなど工夫します。臭いが気になる時は、汚れがしっかり落ちていない可能性もあります。除菌効果がある漂白剤が配合された洗剤や、菌の繁殖を抑える抗菌剤が入った洗剤を使いましょう。こういった洗剤を「部屋干し用」として勧めているメーカーもあります。

山田さんは「自分の気に入ったものや大切な衣類を長く着てほしい。それは環境にもやさしい行動です」と話しています。


毎日新聞生活報道部

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