お役立ち情報/情報ものしり帖


ティーンのメーク事情


化粧をしている10代の女の子が目立つようになりました。専門家や業界関係者に聞くと、美容先進国・韓国へのあこがれや、お手ごろ価格を意味する「プチプラ」コスメの普及が影響しているそうです。ティーンのメーク事情を探りました。

土日と特別な日にメーク(イラスト)「土日と特別な日にメークしてる。リップとティントを持ってるよ。クラスでメークしてるのは3人ぐらいかな。はやってるのは韓国コスメ」。こう話す関西圏の小6女子は、韓国のK―POPアイドルの大ファン。ファッション、メークも彼女らがお手本で、唇を染める「ティント」は韓国コスメの定番です。

●手本は韓国芸能人

ティーンにはアイドル、ファッションを含めた韓国文化が人気となっています。韓国の化粧品大手が経営する「エチュードハウス」もその一つです。10代を中心に年20万人が訪れる東京都渋谷区の原宿・竹下通り本店で口紅を試していた中1女子は「お出かけの時に使う。韓国はかっこよくて気分が上がる」と話します。

「エチュードハウス」が日本に進出したのは2011年。「少女が夢見るドールハウス」をコンセプトに現在、全国に25店舗を展開しています。手ごろな価格の800品目を頻繁に入れ替え、15年は18億円を売り上げました。

エチュードハウスを運営するアモーレパシフィックジャパンの松井理奈事業部長は、10代の人気の背景に「肩の力が抜けた『自然な韓国好き』があります」とみています。ドラマ「冬のソナタ」に中高年女性が熱狂、韓流ブームが起こったのが04年。その子ども世代は東方神起、少女時代、防弾少年団(BTS)などのK―POPグループに親しみ、「冬ソナ」世代の孫が10代という例も少なくないのです。

10代女性の韓国ブームは、「オルチャン」メーク人気に顕著に表れています。「オルチャン」は韓国語で「最高にかわいい顔」という意味の造語。白肌で眉は自然に、唇は赤を強調――がメークの典型で、ティーンに人気の雑誌「nicola」(ニコラ=新潮社)でも、「大好き韓国ガールの最新グッズ」などの見出しが躍ります。小島知夏(ともか)編集長は「オルチャンの人気は根強く、定番になりました。『韓国ガール』になりたい子も多いです」と話します。

●激戦区プチプラ

韓国コスメと同様に、ティーンのメークを支える存在が「プチプラ」コスメです。化粧品は百貨店で売られるのが主流でしたが、ここ十数年で、小中学生がお小遣いで買える数百〜1000円前後の商品が出回ってきました。

「KISSME」ブランドで知られる伊勢半(東京都千代田区)は「プチプラ」の元祖です。05年に売り出した「ヒロインメイク」シリーズのマスカラ「天まで届け!」(1080円)は定番。メーク初心者に支持されています。

プチプラ市場は激戦区で、「店頭では各社が商品の棚の取り合いをしている」(伊勢半)状態です。製薬会社もこの市場に注目し、ロート製薬は14年に「SUGAO」ブランドで初めて参入しました。

●10代の半数「毎日」

ポーラ文化研究所の「女性の化粧行動・意識に関する実態調査2017」によると、「毎日」「ほぼ毎日」メークを行う人の割合は15〜19歳で計46%と、約半数に定着しています。SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)での「いいね」の数がステータスになる時代。ほかの人からどう見られるか、も化粧品選びの大きな要因なのです。カネボウ化粧品商品開発部門の遠藤舞憂子(まゆこ)さんは、「10代は『あの人と一緒』と言われない自分だけの特別感を求め、カスタマイズしたメークを好みます」と語ります。

10代のメーク事情に詳しい米澤泉・甲南女子大准教授(化粧文化論)は「1990年代から親の意識が変わり、子どものメークに抵抗がなくなりました」と指摘します。むしろ派手な衣装とメークで子どもの記念写真を撮るなど「親が変身や化粧をいいと考えているのです」。子ども自身も「テーマパークでプリンセスなど好みのキャラクターになりきるような気分で楽しんでいます」と分析します。メークは変身のためのツールにもなっているのです。

しっかり洗顔(イラスト)●洗顔の基本教えて

化粧は子どもの肌にどんな影響を及ぼすのでしょう。岡村皮フ科医院(東京都小金井市)の岡村理栄子院長によると、子どもの皮膚は大人より薄く敏感で、人によって違いますが15〜16歳で大人の肌が完成します。「大人に許されている化粧品が、すべて子どもにもよいわけではありません。アイメークによるかぶれの相談もよく受けます」と話します。

子どもはクレンジングのやり方なども未熟なことが多く、「化粧の落とし方が悪いとニキビが悪化する例もあります」と岡村院長。普段からスキンケアの大切さや洗顔の基本などを教えておいたほうがよいでしょう。


毎日新聞生活報道部

Copyright© 2003 - 2018 Kyoei Fire&Marine Insurance Co.,Ltd. All rights reserved
※掲載されている情報は2018年9月時点での情報であり、最新の情報と異なる場合があります。