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シニアのスキンケア


「人生100年時代」が言われる中で、加齢に伴う肌の変化にどう向き合えばいいのでしょう。いつまでも若々しい美容家で生活アドバイザーの佐伯チズさん(74)にスキンケアと化粧のポイントを教わり、シニア世代にスキンケアと化粧が必要な理由を専門家に聞きました。

肌の変化に悩む女性(イラスト)年齢を重ねると、顔のシミ、しわ、たるみといった肌の悩みが出てきます。しかし、年相応の変化はあって当たり前です。佐伯さんは「年齢を感じるかどうかは、肌の艶によるところが大きい。肌のきれいな人は食べることにちゃんと重きを置いています」と語ります。旬の食材を取り、内側からきれいになることが大事。シニア世代の美容で大切なのは、まずは健康という考え方です。

●水とローションで

肌そのもののケアはどうするのでしょう。佐伯さんは、水とコットンと化粧水でできる「ローションパック」を提唱し続けています。取材場所に現れた佐伯さんはすっぴんでしたが、肌に艶があり、堂々としています。若々しい肌を保つ秘訣(ひけつ)の一つは保湿にあるそうです。記者もローションパックを自宅で実践してみました。

就寝前に洗面台へ。まず、水道水でコットン1枚(縦8センチ、横20センチ)をぬらして両手ではさみながら軽く水気を切ります。少し水滴が垂れる程度でよく、絞りすぎないように注意してください。次に、化粧水を500円玉の大きさに5〜6カ所、コットンに垂らしてなじませます。そのコットンを薄く3枚に裂き、鏡を見ながら1枚目を、口や鼻の部分を指で破いて鼻から顎(あご)先に、少し重ねて2枚目を、目の部分を破いて鼻頭から額に、3枚目を顎から首に張っていきます。「肌に水分が入っていくように、しみ込め、しみ込め」と念じながら。そして、待つこと3分。パックを外すと、肌がしっとりした状態になります。これなら誰でも簡単にできます。

佐伯さんによると、このローションパックは朝晩の2回すればよいそうです。朝は、紫外線やエアコンの利いた室内など、ダメージになる刺激から肌を守る「予防」。夜は、一日が終わって疲れた肌を癒やす「手入れ」の意味があります。夜の手入れをきちんとすれば、翌朝の肌の状態も違ってきます。重要なのは続けることで、三日坊主では効果が出ません。

●メークは軽めに

スキンケアの後は化粧。シニア世代のポイントは何でしょう。佐伯さんは、日焼け止めを塗り、眉を整え、ほお紅と口紅をつけるだけでいいといいます。「化粧をやり過ぎて、老けて見えている人が多い」のが理由です。ファンデーションをつけることでくすみや化粧崩れが気になり、手間ひまをかけて肌に負担を与えるぐらいなら、日焼け止めだけでいいのです。

年を取るのが楽しみだという佐伯さんは「身だしなみに気を使い、最後まで自分を育てることを忘れなければ、人生は有意義になると思います」とシニア世代にエールを送りました。

身だしなみを整えて外出!(イラスト)●化粧で健康を維持

スキンケアや化粧はシニア世代にどういう意味を持つのでしょう。医学博士で介護福祉士の資格を持つ資生堂CSR・コミュニケーション部の池山和幸さんは、「社会とのつながりを維持するための一つの手段です」と説明します。スキンケアは鏡を見て自分に向き合う行為、化粧は見られる自分、つまり他者を意識する行為だというのです。

化粧をしたり、身だしなみを整えたりすると、外出や友人と会う頻度が保たれます。すると、年齢を重ねても社会とのつながりが維持されます。化粧をすれば気持ちが明るくなり、外出といった実際の行動に結びつきます。池山さんは、スキンケアや化粧は生活の質を保つことと密接な関係があると指摘しています。

自分で化粧をすることは、運動の要素があります。化粧をする時は、ものをつかんだり、腕を曲げ伸ばししたり、案外体を使うからです。池山さんは「介護予防につながります」と言います。唾液腺を意識してマッサージすれば口腔(こうくう)ケアにつながるそうです。

男性もスキンケアや身だしなみに気を使うことで気持ちが若々しくなります。池山さんは「今やっていることを面倒くさがらず、続けることが大事です。生活の質の維持とは、日常やっている当たり前のことをずっと続けられること。食べることはもちろん、スキンケアや化粧を続けることも健康を維持する方法の一つです」と話します。スキンケアや化粧には、日々を生き生きと過ごすヒントが隠れています。

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◇佐伯チズさんおすすめのローションパック
<1>水道水でぬらしたコットンを両手ではさみながら軽く水気を切ります
<2>水でぬらしたコットンに、化粧水を500円玉の大きさに5〜6カ所垂らしてなじませます
<3>水と化粧水をなじませたコットンを縦に3枚に裂きます
<4>顔を覆うように、コットンを引っ張りながら張り付けます
<5>3枚にしたコットンを額から首まで張り終えた後、両手でしっかり押さえて3分間置きます


毎日新聞生活報道部

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※掲載されている情報は2018年5月時点での情報であり、最新の情報と異なる場合があります。