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ベビーカー、熱中症防ぐには


体温調節機能が未発達な子どもは、大人よりも熱中症に注意が必要です。特にベビーカーは高温になりやすいので、外出時はこまめな水分補給や休憩を心掛けたいところです。

ベビーカーカーに暑さ対策(イラスト)●体温調整まだ苦手

東京都港区の診療所「サニーガーデンこどもクリニック」に、8カ月の赤ちゃんを連れた母親が飛び込んできました。「寝ていると思ったら、いつの間にか子どもがぐったりしていた」と、焦った様子で訴えたのです。ベビーカーに乗せて商店街や公園などを約2時間、歩いていたといいます。体温を測ると38度以上ありました。首里京子院長は軽度の熱中症と診断しました。赤ちゃんに水分を与え、脇などに保冷剤を当ててあげると、1時間ほどで回復しました。

猛暑だった昨年、総務省消防庁の統計では5〜9月に熱中症で救急搬送された乳幼児は前年の倍の967人に上りました。今年は梅雨の間は涼しかったですが、今後の気温は平年並みか平年より高めと予想されています。

人間は暑い時、汗をかいて体の表面を冷やし、体温が上がらないよう調整しますが、子どもは大人に比べてこれが苦手です。小学校に入学する6歳ごろまでは、尿の量を調節する腎臓の機能や細胞の水分をため込む機能が未発達で、摂取した水分を体内にためておけずに排出してしまいます。

このため、こまめな水分補給が必要で、首里院長は「子どもは遊びに夢中になると、飲んでくれないこともあります。子どものお気に入りのコップで決まった時間に飲むよう、習慣化するといいですよ」と助言します。

●扇風機や保冷剤を

ベビーカーに乗せている時は、さらに注意が求められます。地面との距離が近く、地表の熱や照り返しの影響を受けやすいからです。高さ1.5メートルで気温32.3度の場合、50センチの位置では35度を超えるとの環境省のデータもあります。

「直射日光を防いでいても、ベビーカーは高温になります。日よけカバーや載せた荷物で風通しが悪くなると、熱や湿気がこもり熱中症のリスクは高くなります」と首里院長は警告します。対策として、ベビーカーに小型の扇風機を取り付けて風通しをよくしたり、保冷剤をタオルにくるんでベビーカーに入れたりすると、赤ちゃんが涼しく過ごせます。服はなるべく薄着で、風通しのよい素材を選ぶといいようです。

レスキューマップで外出をサポート!(イラスト)ベビーカーに乗っている子どもの様子にも気を配りましょう。顔が赤くなったり汗を多くかいていたりする場合は熱中症の疑いがあり、保冷剤を脇や股、首など血流の多い部分に当てて体を冷やすといいでしょう。額は血流が少ないため、冷却効果は弱いです。

また、静かに寝ているようで、実は脱水が進んでいるということもあります。首里院長は、数分おきに見たり触ったりしながら、呼び掛けても反応がないようなら、すぐに受診すべきだと勧めます。尿の色が濃くなるのも脱水が進んできたサインなので、病院に行った方がいいです。

●レスキューマップ

子ども連れの外出をサポートする取り組みもあります。大手飲料メーカーのアサヒ飲料は、ベビーカーでの利用を歓迎する施設や店舗を地図で示し、各施設のトイレや休憩所などの使い勝手を紹介する「ベビーカー熱中症予防レスキューマップ」を、新宿、渋谷、銀座、横浜の4エリアで作製しました。ウェブサイトで公開しています。

地図作りに協力した銀座の商業施設「マロニエゲート銀座2」は、地下2階にベビーカー優先席を設けた休憩所を開放しています。川戸直志館長は「少子化が進み、赤ちゃんはますます社会全体で大切にしないといけない存在になっています。銀座を赤ちゃん連れでも訪れやすい街にしたい」と話しています。


毎日新聞くらし医療部

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※掲載されている情報は2019年9月時点での情報であり、最新の情報と異なる場合があります。