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マスク・手洗い、インフル対策


毎年12〜3月になるとはやるインフルエンザ。今年は異例の早さで患者が増えています。特に台風19号の被災地では被災者がひしめく避難所で注意が必要です。予防するために何ができるか、専門家に聞きました。

もしかしてインフルエンザ!?(イラスト)●のどの乾燥防ぐ

感染症に詳しい川崎市健康安全研究所の岡部信彦所長によると、口や鼻、のどなどが乾燥すると、病原体の侵入を防ぐ粘液が乾き、粘膜表面が荒れ、病原体が侵入しやすくなるそうです。病原体を外に押し出す気管支の線毛も寒さや乾燥で働きが弱まってきます。

インフルエンザは、せきやしぶきなどに混じったウイルスを吸い込んで感染します。そのため、マスクは患者からウイルスが飛び出るのを防ぎ、感染拡大を防ぐ効果があります。岡部所長は「せきや熱が出始めた人や、治りかけの人などは、人前ではマスクをつけた方がいい」と言います。実用上は医療用の高度なマスクでなくても、市販のマスクで十分です。病原体の侵入をバリアーとなって防ぐほか、のどなどの乾燥を自分の息で防ぐため、病原体を侵入しづらくさせる効果が期待できるそうです。

手洗いでは、せっけんを使うことがおすすめです。もし、せっけんがなくても、あるつもりで手の隅々までこすり合わせて丁寧に洗うと、せっけんを使った時に近い状態まできれいになります。

発症した場合、どうしたらいいのでしょうか。慌てて医療機関を訪れ、迅速診断と薬を求めがちになりますが、ナビタスクリニック新宿の久住英二医師(内科)は「迅速診断キットの精度は6割程度。陰性と診断されてもインフルエンザである可能性はあります。症状がある場合はインフルエンザと思って、自宅で静養することが大切ですよ」と助言しています。

ワクチンで予防(イラスト)●ワクチン接種

インフルエンザ患者は、例年子どもが約半数を占めていますが、入院者は高齢者が多いのです。かぜよりも合併症が発生しやすく、高齢者は肺炎を起こして死亡するケースも多数みられます。幼児は、急性脳症を起こすことがあるため、意識がはっきりしない、意味不明のことを言うなどがあれば危険サインです。早急に医療機関へ行く必要があります。岡部所長は「感染者数が少ない高齢者の中には、自分はインフルエンザにかからないと思っている人が少なくありません。確かにかかりにくいですが、一度かかると急速に悪くなるので、ワクチンを受けて予防してください」と話します。

ワクチンは製造に約6カ月かかり、例年10月から接種を始める医院が多くなります。接種から免疫ができるまでは2〜4週間かかるので、岡部所長は「かかりつけ医に在庫があれば、早めに接種を受けて冬の流行に備えて」と呼びかけています。

●避難生活の心構え

台風19号の被害にあった被災者はどのような対策を取ればいいでしょうか。避難所での生活は、集団生活で疲労もたまりやすく、手洗いが十分できないなど衛生状態が悪くなりがちです。久住医師は「(避難所は)インフルエンザが流行するための条件がそろっています。一番大切なのは手洗いとアルコール消毒です。さらに、ほこりを吸わないようマスクはした方がいいでしょう。気道の保温や保湿にもなるからです」と話しています。

泥やがれきの撤去の際にけがをすると、傷口から泥の中にいる菌が入り込んで破傷風にかかる危険があります。破傷風は、口が開きにくいなどの症状に始まり、歩行などに障害が出て、死に至るケースもあります。久住医師は「泥やがれきの撤去をする際、手袋や底の厚い靴を身につけ、けがをしないよう注意して」と呼びかけています。

◇インフルエンザ

感染すると、ぞくぞくした感じに続き、38〜40度の高熱、痛みやだるさが4〜5日続きます。熱が出るまでの潜伏期間は1〜3日。熱が下がっても1〜2日は少量のウイルスを出す可能性があります。


毎日新聞くらし医療部

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