お役立ち情報/情報ものしり帖


出産の不安アプリが解消


妊娠・出産に伴う不安が以前に比べ増しています。身近に経験者が少なく、インターネットで誤った情報が散見されるためです。気軽にアクセスでき、正しい情報を届けようと、婚活や出産育児情報を提供するリクルートマーケティングパートナーズ(東京都品川区)は、日本産科婦人科学会(日産婦)監修の下で開発したスマートフォンアプリ「Babyプラス」を無料配信しています。

どの情報を信用すればいいのだろう…(イラスト)●情報の選択が困難

アプリ開発のきっかけは、妊婦と医師の関心事に大きな違いがあることでした。

日産婦と同社は2017年、産科医128人、妊娠中と産後半年以内の女性計600人を対象に調査しました。妊産婦が最も利用している情報源はネットの63%で、「産科医や助産師」「周囲の友人ら」はともに11%にとどまったのです。

必要な知識として上位だったのは、産科医が「妊娠高血圧症候群」「風疹」「体の変化」など母体関連でしたが、妊産婦は「医療費・制度」「子どもの予防接種」「赤ちゃん用品など必要な準備品」など、自身の健康管理より制度や子どもに関心を寄せていました。

自由回答には「情報があふれすぎて何を信用していいのか分からなくなった」「情報の選択が難しい」といった声が目立ちました。

ダウンロードして出産予定日を登録すると、画面に予定日までの日数、その時点での赤ちゃんの大きさを示すイラストが登場します。例えば、妊娠9カ月ならば「今は白菜くらいだよ(身長約45センチ、体重1800〜2200グラム)」と紹介され、初秋のことならば「この時期にはまだ暑さが残っているかも。気温差で体調をくずさないようにね」と表示されます。

画面下部の「調べる」では、「妊娠がわかったら」「妊娠中の身体のこと」「パートナーの方へ」「妊婦さんの生活」「お産・産褥期」「赤ちゃんとの暮らし」の6テーマの悩みについて、医師や看護師、ファイナンシャルプランナーらが答えています。「パートナーの方へ」の中で、NPO法人「ファザーリング・ジャパン」の安藤哲也代表理事は「家事の分担だけではなく、ねぎらいの言葉をかけ、話を聞くのが重要」と助言します。

かかりつけ医からのお知らせ機能もあります。「台風接近に伴う母親教室の中止」「インフルエンザワクチン入荷」などの情報が届きます。企画に携わった阪埜(ばんの)浩司・慶応大准教授は「妊娠周期や季節によって、妊婦に必要な情報や対応は異なってきます。適切な時期に適切な情報が伝わる双方向性を重視しました」と話しています。

医師監修で安心!(イラスト)●主治医と相談を

妊娠8カ月を迎えた東京都大田区の会社員(40)は1日5回程度、チェックしています。7年前の長女出産後、流産を繰り返し、習慣流産に関するネット情報に不安を募らせました。高齢出産リスクなどを説明したアプリに出合い、落ち着けるようになったそうです。「そもそも医師に何を聞いていいか分からず、相談をしたくても忙しそうで申し訳ないのです。だから、妊婦はネットに頼ってしまいます」と明かした上で、「このアプリは、解説している医師名や出典が明らかになっているのが心強いですね」と評価していました。

ただ、アプリでは全てを解決できません。例えば「薬・サプリとのつき合い方」の項目で、「妊娠期・授乳期で絶対に服用してはいけない薬は少なく、実際には多くの薬が使用可能」「妊娠前に使用していた薬は、処方した医師に相談し、服用の中止、減量、継続を検討し、自己判断で中止しては絶対にいけない」と記載されています。木村正・日産婦理事長は「個人差があるので、主治医との相談は忘れでください」と話しています。


毎日新聞くらし医療部

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