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5Gで生活どう変わる


次世代移動通信規格「5G」の商用サービスが今春、日本でも始まります。スマートフォンなどの端末で、従来よりも大容量のデータを高速でやりとりできるようになります。5Gで生活はどう変わるのでしょうか。

マルチ画面でライブを楽しむ(イラスト)●マルチ画面で動画

昨年11月、東京・有楽町にあるNTTドコモの店舗を訪れてみました。そこには、最新鋭のスマホがずらりと並んでいました。5Gを使ったサービスを一足早く体験できる展示です。

特に目を引いたのが、アイドルグループのコンサートの映像を映していた二つ折りタイプのスマホです。下側の画面は6分割され、ステージ全体やアイドルのクローズアップなど、さまざまな場所から撮影した映像が同時に流れています。その中から好きな映像を選んで、上側の画面に拡大表示できます。「2時間の映画を3秒でダウンロードできる」(同社)という5Gの特性を生かした動画配信サービスです。

5Gでスポーツ観戦も変わりそうです。展示ではラグビーの試合の映像も視聴できました。複数の視点、場所からの映像はもちろん、画面上の選手に指で触れると、その選手の身長や体重、試合中にボールを持って走った距離やタックルした回数などの情報が表示されます。NTTドコモ5G事業推進室の二川幸司・企画担当課長は、「臨場感や一体感を味わえるエンターテインメントが5Gによって楽しめるようになる」と力を込めます。

5Gは「第5世代」の意味で、米国や韓国、中国などでは昨年、サービスが始まりました。国内では今春以降、NTTドコモの他、KDDI(au)やソフトバンク、楽天モバイルが本格的にサービスを始めます。これまで使われていなかった周波数帯域を活用することで、従来の4Gの数十倍の速さでデータのやりとりができるようになります。通信の時間のずれの少なさや、多数の機器を同時に接続可能なことも特徴です。

VRで大迫力のスポーツ観戦(イラスト)●バーチャル体験も

5Gで何ができるようになるのでしょうか。調査会社IDCジャパンの菅原啓シニアマーケットアナリストは、2021年ごろに高画質な仮想現実(VR)の映像配信が始まると予測しています。VRのゴーグル型ディスプレーを5G対応スマホに接続することなどが考えられています。スポーツではVRを使ったラグビーやバスケットボールの観戦に、各社が試行的に取り組んでいます。菅原さんは「大相撲をVRで観戦できるようにしたらどうか。土俵下のたまり席から撮影した映像を配信すれば、中高年に人気が出る」と提案しています。

23年ごろには、身に着けて使う情報機器「ウエアラブル端末」が5Gに合わせて進化するといいます。現在は心拍数や歩数などが計測できる腕時計型の端末が主流ですが「服のように着られる端末も出てくるでしょう。心電図など、さまざまな生体情報を24時間計測することで得た膨大な量のデータを人工知能と連動させるのです。異常を検知したら自動で救急車を呼ぶような機能が考えられます」と期待しています。また、医師が遠隔地の患者を手術する技術や自動車の運転支援技術などへの応用も研究されています。

ただし、5Gが普及するには時間がかかりそうです。まずは端末価格の問題があります。5Gのサービス開始当初は、対応するスマホは一部の高級機種に限られるとみられています。菅原さんは「昨年、韓国で発売された5Gスマホは10万円以上しました。日本でも最初のうちは4G端末より数万円高くなるのではないでしょうか」と話します。料金プランについては「高くても月1万円程度を期待したいですね」と話しています。

また、通信基地局の整備にも時間がかかります。各社は5年程度かけて全国に基地局を整備する計画で、菅原さんは「全国津々浦々で使えて、みんなが5G対応スマホを持っているという状況になるのは、25年ごろでしょう」とみています。

つまり、5G対応スマホへの買い替えにあたっては、自分の居住地で使用できるのか、どんなサービスが利用できるのかを確認してから、購入するのが賢明といえそうです。


毎日新聞くらし医療部

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