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新型肺炎対策 手洗い入念


新型コロナウイルスによる感染症の影響で各地でマスクの品薄状態が続くなど、予防策に不安を抱いている人も多いようです。冬はインフルエンザなど感染症の流行期でもあります。暮らしの工夫で体の抵抗力を高め、ウイルスに負けないコツを調べました。

入念な手洗いを(イラスト)●疲労をためない

人の鼻や喉には、粘膜やせん毛によってウイルスを捕らえ、体内への侵入を防ぐ「ファーストバリアー機能」があります。湿度が上がると、潤ってバリアー機能が強まってきます。また、ウイルスが体内に侵入しても、白血球やリンパ球によって死滅させることもできます。

こうしたウイルスへの抵抗力について、感染症に詳しい東京医科大学病院の渡航者医療センター部長、濱田篤郎教授は「栄養バランスに優れた食事や十分な睡眠で疲労をためないことが大事だ」と強調します。

新型コロナウイルスによる感染症は、海外の論文によると昨年12月時点では肺炎の症例の割合が高かったのですが、現在は喉や鼻の粘膜が炎症を起こすケースが増えているそうです。軽症者が多くなっているとみられますが、濱田教授は「くしゃみやせきで、人から人に感染する機会が増える」と指摘しています。対策として「一番有効なのは手洗い。マスク着用は補助的な予防方法なので、抵抗力の弱い高齢者や慢性疾患を抱える人が優先的に入手できるよう配慮し、人混みを避けた方がいいでしょう」とアドバイスしています。

●部屋は加湿して

多くの感染症は、患者のせきやくしゃみでウイルスを含んだたんや唾液の飛沫が飛び散り、ほかの人が吸い込むことで広がります。東京都健康安全研究センターによると、飛沫の多くは床に落ちますが、一部は空気中に長時間漂います。

冬は家や職場などの窓を閉め切っていることが多く、こうしたウイルスがたまりやすくなります。1時間に2〜3分程度の換気をすることで、空気中のウイルスを外へ出すことが大切です。できれば部屋の対角線となる2カ所以上を開放し、空気の流れを作るとよいでしょう。

加湿も有効です。新型コロナウイルスについてはまだ研究データが十分そろっていませんが、風邪やインフルエンザのウイルスは高い湿度に弱いことが分かっています。インフルエンザウイルスの生存率は、湿度20%では65%と高くなりますが、湿度50%以上になると5%に下がるという報告があります。同センター建築物監視指導課の依田昌樹課長は「室内の湿度は50%以上あればいい。加湿器のタンクの水はレジオネラ菌などが増加するため、1日に1回は入れ替えてください」と話しています。

汁物で体を温めよう(イラスト)●体温める食事を

日々の食事も大切です。東洋大学非常勤講師で管理栄養士の太田百合子さんは、朝の起床時は体が冷えているため、スープやみそ汁などで温めることを勧めています。レタスやトマト、ウインナー、溶き卵を入れたコンソメスープは、火の通りが早く短時間で作ることができます。

緑黄色野菜に含まれるビタミンAは、喉や鼻などの粘膜を強くする効果があります。旬の春菊や小松菜のほか、ニンジン、カボチャ、ホウレンソウも多く含まれています。油と一緒に取ると体に吸収されやすくなるので、ナッツ類やゴマとあえ物にするのもよいでしょう。ビタミンCは活性酸素をなくし細胞を守る抗酸化作用があり、赤身の肉に多い鉄分は、体に栄養を行き渡らせることを助けてくれます。

鍋ものやシチューは、野菜と肉、魚、水分がまとめて摂取しやすく、体も温まります。外食では丼ものより品数の多い定食を選びましょう。弁当を買う場合は、腸内環境を整えるヨーグルトや納豆、チーズなどの発酵食品を1品加えましょう。太田さんは「1日3食、1汁2〜3菜を心掛けたら、栄養素は細かく考えなくて大丈夫」と話しています。

冬は屋内で過ごす時間が長くなりがちで、感染症が流行しやすいが、春になると収束する傾向にあります。濱田教授は「新型コロナウイルスは中国で感染地域が広がり続けており、流行は春以降も続く可能性がある」と話します。


毎日新聞くらし医療部

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※掲載されている情報は2020年3月時点での情報であり、最新の情報と異なる場合があります。