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ユニットプライス


「100グラム100円」など、販売価格とは別に表示する一定量あたりの単位価格を「ユニットプライス」といいます。商品の比較や、価格を変えずに減量する「ステルス値上げ」を見破るのに役立ちますが、表記のルールはまちまちです。

容量減で「値上げ」(イラスト)●容量減で「値上げ」

東京都目黒区の主婦は買い物の際、ユニットプライスをいつも確認しています。この日は甘酒を買おうとJR目黒駅近くのスーパーに来て、800ミリリットル入りの大瓶と100ミリリットルの小瓶のどちらにしようか、単位価格を比較して考えていました。「表示があれば買い物の参考になる」と話します。

品川区の会社員女性(38)は、手にとった特販品のトイレットペーパーが、1メートルに換算すると他の商品より高いことに気付いた経験があります。「単位価格が表示されていれば、手間が省けて便利」と思うそうです。

ユニットプライスは1970年代に米国で始まったとされます。容量が異なる商品の価格が比べやすくなるだけでなく、値段でなく容量を減らすステルス値上げにも気づきやすくなります。例えば牛乳パックは1リットル入りが浸透しているため、その中に900ミリリットル入りの商品があると、販売価格だけ見て「安い」と感じがちですが、そうした勘違いを防げられます。

●統一のルールなく

単位価格の表示は、国際的には2018年11月、消費者団体などの働き掛けで国際標準化機構(ISO)の規格が発効しました。ですが、日本では統一のルールがなく、一部自治体が消費生活に関わる条例などで規定しているだけです。

日本消費者協会(千代田区)の調査によると、18年時点で規定があるのは21都道府県9政令市。16年に「消費者の選択基準が多様化し、価格以外で選ぶことが増えた」として努力義務を取りやめた神奈川県など8県は、過去にあったが廃止されたそうです。

条例などがある自治体の規定も一様ではありません。東京都では300平方メートル以上の店舗に対し、調味料、麺類、洗剤など日用雑貨計68品目に単位価格表示を義務付けています。京都府は1000平方メートル以上の店舗で、主に調味料の21品目が対象です。一方、食肉は条例とは別に業界の自主ルールがあり、全国どこでもユニットプライス表示があります。

地域間のばらつきと並んで問題なのは、表示の仕方です。消費者団体の主婦連合会(千代田区)が17年、会員ら約1000人に調査したところ、約6割がユニットプライスを見たことがありましたが、実際の表示例を示して文字の大きさや表示位置を聞くと「小さい」「分かりにくい」との回答がいずれも半数を超えました。

商品を比較する女性(イラスト)●詰め替え用割高も

主婦連の19年の店頭調査では、都内のスーパーでこんなケースがありました。500ミリリットルの柔軟剤ボトルが280円で、同じメーカーの詰め替え用が400ミリリットルで245円。100ミリリットル当たりだと本体(56円)より詰め替え用(61.3円)の方が高かったのです。環境に配慮しようと詰め替え用の品を選ぶ消費者の心理を逆手に取るような価格設定です。調査した主婦連の木村たま代さんは「ユニットプライス表示はあったが、バーコードの数字と同程度の小ささで分かりにくい。詰め替え用が割高な例は少ないものの、価格が変わらない品を目にすることは多い」と指摘しています。

国内でも分かりやすいルールを作ろうと、日本規格協会(港区)は7月、ユニットプライスの日本工業規格(JIS)化に向けた議論を始める予定です。3年計画で具体案をまとめます。全国消費者団体連絡会の専門委員は「ユニットプライスは、価格差や、品質や包装と価格の関係を考える機会になります。比較できることが大切」と話しています。


毎日新聞くらし医療部

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※掲載されている情報は2019年6月時点での情報であり、最新の情報と異なる場合があります。