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高血圧の防止


日本高血圧学会は、高血圧治療ガイドライン(指針)を改定し、成人の降圧目標を引き下げました。血圧が高過ぎると死亡や心疾患のリスクが高くなるといいます。なるべく降圧剤に頼らず血圧を下げたいところですが、どうすればいいのでしょうか。

食生活を見直さない男性(イラスト)●塩分排出促す作用

学会の新指針によると、降圧目標は、75歳未満の最高血圧が前回指針の「140ミリHg(水銀)未満」から「130ミリHg未満」に、最低血圧が「90ミリHg未満」から「80ミリHg未満」に引き下げられました。降圧剤の処方が増えそうですが、改定に携わった専門家は「薬に頼らず、生活習慣を改善して血圧を下げるよう努力してほしい」と訴えています。

血圧を下げるのに効果的なのが食生活の見直しです。人は余分な塩分を体内に取り込むと、血圧を上げて腎臓に送り込む血流量を増やし、尿と一緒に排出しようとします。厚生労働省の日本人の食事摂取基準(2015年版)によると、1日の塩分摂取量の目標値は成人の男性で8グラム、女性で7グラムですが、実際には男女とも2グラム以上も上回っています。塩分の多い食品や調味料の量を減らす「減塩」に取り組む必要がありますが、摂取量を減らして薄味にすると物足りなく感じ、続けるのが難しくなります。

そこで心掛けたいのが、塩分の排出を促す食事法です。カリウムやカルシウム、マグネシウムなどの物質は塩分を排出する作用があります。この専門家は「それらを多く含む果物や野菜、牛乳などを積極的に取り入れるのが望ましい」と話します。

具体的に何を食べたらいいのでしょうか。お勧めなのがレモンだそうです。皮にはポリフェノール、果汁にはフラボノイドが含まれ、降圧の可能性を示唆する海外の研究もあります。酸味と爽やかな香りがあり、どんな料理にも合わせやすいのです。焼き肉の時、タレや塩の代わりに使えば、満足のいく味わいにもなります。

野菜ジュースを飲む男性(イラスト)また、循環器が専門の医師は「ガンマアミノ酪酸(GABA)を含む食品を取るといい」と話します。GABAはアミノ酸の一種で、血圧の上昇を抑える物質とされます。野菜類ではトマトに多く含まれるため、日ごろからジュースにして飲むといいようです。

また、高血圧の原因の一つに加齢があります。人は血管をしならせることで、血液を末端の組織に送り届けています。年齢とともにこのしなやかさが失われるため、体が血圧を上げて末端にまで血液を送ろうとします。

そこで注目されるのがキウイフルーツです。塩分を排出するカリウムのほか、抗酸化作用のあるビタミンCや、しなやかな血管作りに欠かせないビタミンAやE、食物繊維も豊富だといいます。糖質の少ない果物を1日200グラム程度食べることもポイントで、日本動脈硬化学会の動脈硬化予防の指針では果物の適度な摂取が推奨されています。


毎日新聞くらし医療部

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