お役立ち情報/情報ものしり帖


買いだめ、自炊で栄養偏り


新型コロナウイルスの感染拡大で外出を減らそうと買いだめをしたり、子どもの休校・休園や、自分や家族の在宅勤務で自炊したりする人も多いでしょう。今、どんな食材が売れているのか、栄養面で気をつけるべきことはあるのか、IT(情報技術)で探りました。

●「保存」「簡単」人気

食材を買う男性
                        (イラスト)「傾向は大きく二つ、買いだめに適した長期保存できるものと、昼などに簡単に作れるものが売れていますね」。スーパーなどでの購買データを分析して栄養面のアドバイスを提供するベンチャー「シルタス」(東京都港区)の小原一樹・最高経営責任者(CEO)はこう指摘しています。シルタスは、アプリを通じて利用者の購買データを集約しており、今年3月と前年3月の売れた食材の種類、数量を比較しました。

分析によると、主食は買いだめの定番のカップ麺が前年比4倍、食パンも4倍超となりました。通常の買いだめでは対象にならなそうな野菜も、自炊の機会が増えたため伸びています。

野菜類で目立つのは意外にもエノキで、前年比10倍を超えました。他にはキャベツが6倍、大根、タマネギが4倍、ネギが3倍でした。いずれも比較的安く、保存に適した野菜ばかりで、小原さんは「感染リスクを減らすために買い物は控えましょう。『安く、使い回しがきいて、冷凍して保存がきくものを』という心理が働いたのではないでしょうか」と推測しています。

肉類では、ロースハムが3倍になるなど、生肉より加工肉の購買が伸びています。長時間自宅にいることから、菓子類も、せんべい類が1.5倍、ポテトチップスが1.2倍となりました。

こうした購買動向からシルタスの管理栄養士が分析したところ、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンB12が不足する懸念があるといいます。ビタミンAは美容や免疫力向上に、ビタミンDは骨の強化に、ビタミンB12は貧血や息切れ防止にそれぞれ重要な栄養です。野菜を使い自炊すれば栄養面では改善しそうですが、小原さんは「同じ野菜ばかり購入して使えば、やはり栄養バランスは偏るので注意が必要です」と話しています。

お手軽な改善方法も小原さんに聞きました。

ビタミンAはウナギなどの他、緑黄色野菜にも含まれることから、例えば大根の場合は葉も捨てずに食べることがお勧めだといいます。

ビタミンDは日光浴で体内で合成されるもので、在宅生活ではより意識的に食品から摂取することが重要で、魚類やキノコ類から摂取できます。ビタミンB12は貝に多く含まれます。

カップ麺を一工夫(イラスト)●カップ麺も一工夫

このほか、カップ麺などには「ビタミンAを多く含むノリを1枚加えるだけでも、かなり栄養面では改善します」(小原さん)。カイワレ大根を乗せればカリウムを含むためスープの塩分を排出する効果が期待できます。

購買データからは、炭水化物が多めになっている傾向も明らかで、取り過ぎないよう意識することも大事です。

小原さんは、「買いだめせざるをえない状況で、(保存がきくものやインスタント食品などが増え)買う食材が偏ること自体は仕方がないでしょう」と理解を示した上で、「偏りを自覚して一工夫してほしいですね」と話しました。


毎日新聞統合デジタル取材センター

Copyright© 2003 - 2020 Kyoei Fire&Marine Insurance Co.,Ltd. All rights reserved
※掲載されている情報は2020年5月時点での情報であり、最新の情報と異なる場合があります。