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「密」なし!! 「南米の羽子板」 ブラジル発、フレスコボール人気


新型コロナウイルスの感染拡大に伴って、人気を呼んでいるマイナースポーツがあります。ブラジル発祥の球技で「南米の羽子板」とも称されるフレスコボール。「密」を伴わないルールを強みに、老若男女から手軽な運動不足解消法として注目されています。

フレスコボールを楽しむ男性(イラスト)●7メートル離れてラリー

リオデジャネイロの観光名所・コパカバーナ海岸で1945年に誕生したとされるビーチスポーツで、南米諸国のほか欧州、オセアニアでも親しまれています。2人1組で羽子板に似た専用ラケットでゴムボールを打ち合います。同じラケット競技でもテニスや卓球と違って、向き合う2人は「敵」ではなく、ボールをつなぐ「味方」。競技会では、最低7メートル離れたペアで5分間のラリー回数を競います。股の間を通して打ち返す「股抜きショット」など技術でも加点される採点競技です。

国内では2013年に日本フレスコボール協会(東京都世田谷区)が立ち上がったばかりで、愛好者は約3000人、トップ選手は約20人とされます。ただ15年に初の世界選手権が開かれ、16年リオデジャネイロ・オリンピックを機にブラジル文化として脚光を浴び、少しずつメディアで紹介される機会も増えています。

その存在感がコロナ禍で着実に大きくなっています。密閉、密集、密接の「3密」を避けるよう呼びかけられる中、ビーチに限らず近くの広場でも楽しめる新たなスポーツとして、日本協会には未経験者から問い合わせが相次いでいます。ラケットやボールなどを販売する協会公式オンラインショップの今年1〜4月の売り上げは前年同期比で1.5倍に上っています。

日本協会公認の地域クラブで、関西を拠点に活動する「フレスコボール関西GVK」副代表の山下祥(しょう)さん(27)は注目されている理由について「少人数で手軽に楽しめます。7メートル以上離れるという特性があるので、感染防止の観点からも問題が少ないのではないでしょうか」と語ります。クラブ全体の練習は取りやめているものの、3月中旬から新たに約30件の問い合わせがあるといいます。

日本協会によると、着目される理由はそれだけではありません。厚地達郎事務局長(38)が解説します。「相手と競り合うのではなく、ラリーを続けるために相手が打ち返しやすいところに球を打つことから『思いやりのスポーツ』と呼ばれています。初心者でも、どの世代の人でも挑戦しやすいのが特徴です」

フライパンでフレスコボール(イラスト)●皿、フライパンでも

日本協会では3月下旬以降、大会は中止していますが、感染リスクを考慮しながら競技を楽しんでもらおうと4月に「オンラインコンテスト」を実施しました。公式ツイッターなどSNS上で、密を避けて取り組むユニーク映像を募集。すると、屋内で飼い犬のエサ皿やフライパンをラケット代わりにしてラリーを楽しむユニークな動画が投稿され、関心の高まりを感じさせました。

浜松医科大の堀井俊伸教授(感染制御学)は屋外での運動について「少人数の活動で、数メートルの距離を取れば運動そのものに問題はありません。体を動かすことはストレス発散になります」と語ります。ただ「運動前後」には注意を促します。「会話による飛沫(ひまつ)拡散や接触は感染リスクを高めます。混み合う場所や時間は避ける工夫をし、共用の道具は使用前後に消毒するのが望ましいです」と呼びかけています。


毎日新聞運動部

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※掲載されている情報は2020年5月時点での情報であり、最新の情報と異なる場合があります。