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ダーツを楽しみたい 点数計算で認知症予防


ダーツ(イラスト)適度な運動になり、計算で頭も使ってフレイル(虚弱)や認知症の予防になる――。高齢者、障害のある人も手軽に楽しめる生涯スポーツとして人気なのがダーツです。用具があれば自宅などで気軽にプレーすることもできます。愛好者にその魅力を聞いてみました。

3月中旬、東京都葛飾区の奥戸総合スポーツセンター体育館の一室。壁にかけられたダーツボードに向かって、葛飾区ダーツ協会のメンバーが軽やかに矢を投げていました。毎週恒例の練習会で、この日は63〜86歳の12人が参加しました。

「85点」。1人が1ターンで3本の矢を投じ、刺さった場所で決まる得点を計算して紙に書き込んでいきます。

参加者が矢で狙う円形の的は扇状に20等分した部分ごとに得点が決まっており、さらにダブル(得点がその数字の2倍)、トリプル(同3倍)と呼ばれる細い枠と中央にあるブルという2重の円で構成されます。刺さった場所によって大きく得点が変わります。

●加減乗除使い

ゲームの種類は多いですが、この日行われていたのは代表的な「01ゲーム」。たとえば「301」であれば各自の持ち点301点から、矢を投げて得た点を引いていき、最終的に残りをぴったり「0」にする早さを競うゲームです。

得点を数えたり、残りを計算したりするのに「加減乗除」をすべて使います。様子を見ていると、みんな驚くほど計算が速い。「19の3倍と、7の2倍と、16を足して……」と記者が考えているうちに次のプレーが始まっていました。

同協会は矢が金属のハードダーツを使っており、投げるラインから的まで2.37メートル。記者も投げさせてもらいましたが、思ったより力は必要ありませんでした。ぶれないように集中してリリースポイントを調整できるかがコツのようです。

得点を考え、集中して狙い、計算して矢を回収する。「体と思考の調和が必要で、認知症予防などいろいろな効果が期待できる。矢の先端がプラスチックのソフトダーツもあり、小さなお子さんも安全にプレーできる」と同協会の屋代宣男副会長は言います。

ダーツで認知症予防(イラスト)●自治体などでも

体験会や講習会を開催する自治体、福祉施設なども全国で増えており、日本ダーツ協会は指導員の派遣も行っています。今回の練習会で最年長の鈴木チエ子さん(86)がダーツを始めたのは5年前です。旅行で乗った船でプレーしている人たちを見て興味をもちました。その後、自治体のダーツ教室に参加したのがきっかけで今の練習会に出入りするようになりました。

「最初は思うように投げられなくて、ボードまで矢が届かなかった」と振り返りますが、慣れると区民大会で年代別3位に入るなどすぐに上達しました。さらに「計算も速くなったし、ずっと腰痛に悩まされていたがダーツを始めて姿勢に気をつけるようになったからか、痛くなくなった」とうれしい効果もあったといいます。

自宅でも廊下にダーツセットを用意してプレーを楽しんでいるという鈴木さん。「ダーツは奥深さがあり、生きがいになった。できる間はずっとプレーを続けたい」とほほえみました。


毎日新聞東京社会部

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※掲載されている情報は2021年5月時点での情報であり、最新の情報と異なる場合があります。