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ボランティアを楽しみたい 介護支援でポイント


介護ボランティアをした高齢者に、お金に換えられるポイントを贈る「有償ボランティア」の取り組みが全国の自治体に広まっています。高齢者は実施している自治体に登録してさまざまなボランティア活動をし、時間に応じてポイントをもらいます。少額とはいえ、社会参加や人の役に立てることで高齢者からは「励みになる」「張り合いが出る」と好評です。頭や体を動かして健康維持にもつながり、一石二鳥です。

高齢者を対象とした有償の介護支援ボランティア制度は2007年、東京都稲城市で全国で初めて導入されました。稲城市では当時、住民が支払う介護保険料が年々上昇していました。高齢者に介護施設でのボランティア活動をしてもらうことで、健康寿命を延ばし、間接的に介護保険料を抑えようという狙いで始まったといいます。

生け花教室を楽しむ高齢者(イラスト)65歳以上の市民が、介護支援ボランティアに登録。受け入れ先の介護施設などで掃除やお茶出し、入所者の話し相手、レクリエーションの手伝いといった活動をします。レクリエーションでは、書道や生け花の講師といったそれぞれの特技を生かしたボランティアもできます。

ボランティア1時間で1スタンプを手帳に押してもらい、10スタンプごとに1000ポイントに交換。1000ポイントを1000円に換金できます。継続的に活動してもらうため、スタンプをもらえるのは1日最大2時間、換金は年間5000円まで。登録者は年々増え、19年度は904人と開始当初の約4倍になりました。

新型コロナウイルスの影響で昨春から介護施設での受け入れが一時停止となりましたが、昨年末から、感染対策を十分に取った上で、掃除や洗濯の手伝いといった施設利用者と対面しない一部のボランティアを再開しています。

稲城市高齢福祉課係長の内島剛さんによると、介護施設でボランティアへの慰労会が開かれることもあります。ボランティアからは「利用者からも施設からも『ありがとう』と言われることがうれしい」という声も。活動によって「人に会うことで自分も健康になった気がする」と好評です。内島さんは「高齢者の方に地域に出て社会参加してもらうことで、高齢者が元気なまちをつくる一助になれば」と話します。

ボランティアで絵本の読み聞かせ(イラスト)●子どもの見守りも

介護以外に広げている自治体もあります。兵庫県南あわじ市では介護施設の他、幼稚園や保育施設、小学校もボランティアの活動先になっており、子どもの見守りや、絵本の読み聞かせなどをします。ポイントはお金ではなく、市内の協力店で使える商品券に交換し、ボランティアは地域振興にも貢献できます。

気軽にボランティアに取り組んでもらおうと、南あわじ市では1月に専用のスマートフォン用アプリを開発。従来は市の担当者が受け入れ先とボランティアの要望を聞き取り、作業内容や日程を調整していましたが、ボランティア自ら募集状況の検索、応募ができるようになり、活動の幅が広がりました。担当者は「市民の方が自発的に検索して申し込むことで、より活躍の機会を増やしてほしい」と話します。


毎日新聞くらし医療部

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※掲載されている情報は2021年5月時点での情報であり、最新の情報と異なる場合があります。