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聞こえない方と聞こえる方をつなぐ、「電話リレーサービス」


「リレー」というと、走者がバトンをつないでタイムを競う、リレー走を思い浮かべる方も多いでしょう。今回、ご紹介する「電話リレーサービス」は、バトンの代わりに、聞こえない方の「想い」や「伝えたいこと」を聞こえる方に電話でつなぐサービスのこと。7月1日から開始となったこのサービスが、どんなシーンで活用できるのか、また公共インフラとなるための背景や運用の流れについて、詳しくお伝えしていきます。

◆どんなシーンで対応できるの?

「電話リレーサービス」は、聴覚や発話に困難がある聴覚障害者(聞こえない方)と健聴者(聞こえる方)の双方が、通訳オペレータの手話や文字と音声により、24時間365日、電話でつながり合える仕組みとなっています。聞こえない方の「想い」や「伝えたいこと」を聞こえる方に即時につなぎ、また、聞こえる方からの「想い」や「伝えたいこと」を聞こえない方に即時につないでいけるのが、最大の特性といえます。メールやFAXのように返事を待つタイミングにとらわれず、急ぎの用件の際などには大変便利です。

例えば、
●深夜に子どもが熱を出したので、急いで病院に連絡を取りたい
●自宅の敷地内に人影が見えたので、すぐに通報したい
●故障した車の状態を伝え、何分後に来てもらえるか確認したい
●クライアントに進行中の案件について、詳しく説明したい

といったシーンはもちろんですが、

●人気レストランの空席状況を確認して、予約をとりたい
●テレビショッピングの限定商品を、電話で注文したい
●家族や友人と会話形式で、コミュニケーションしたい

といった場合など、日常生活を楽しむシーンにおいても活用できます。

電話リレーサービスのイメージ(イラスト)
また、このサービスの利用には事前登録が必要となります。登録方法については、「日本財団 電話リレーサービス」ホームページ(https://nftrs.or.jp/)に詳しく記載されています。

◆手軽に使える公共インフラとしての必要性

電話は、日常生活において、お互いが遠くにいながらも即時にコミュニケーションがとれる通信手段です。一方、電話は音声でコミュニケーションを図るという特性から、聞こえない方は、サポートなしでの電話利用が困難な状況にありました。そのため、電話利用による日常生活のやりとり、職場での業務、行政手続において困難を伴うといった課題があり、自立した日常生活を送る上で支障をきたす場合がありました。

こうした背景を踏まえて、聞こえない方による電話利用の円滑化を進めるために、公共インフラとして手軽に使える「電話リレーサービス」提供の必要性が問われてきました。そして、「聴覚障害者等による電話の利用の円滑化に関する法律」(令和2年法律第53号)が制定され、令和2年12月1日に施行となりました。

電話リレーサービスについて調べる(イラスト)◆実は利用者が負担!気になる運用の流れ

公共インフラとして「電話リレーサービス」を提供するためには、運用における費用が必要となります。その費用は、7月以降に利用者の電話番号の数に応じて、電話提供事業者(電話会社)から電話リレーサービス支援機関を通じて、電話リレーサービス提供機関に支払われます。言い換えるならば、電話会社の各社が協力して費用を出し合う形となっているのです。

また、番号単価(1電話番号当たりの負担額)は、法令に基づいて電話リレーサービス支援機関が算定します。算定の結果、令和3年度の番号単価は、7月から翌年の1月まで毎月1円となりました。なお、多くの電話会社では、この番号単価を「電話リレーサービス料」という形で、電話の利用者に負担いただくことになっています。

※公共インフラとしての電話リレーサービス提供に携わる指定期間で、総務大臣から「日本財団 電話リレーサービス」が指定されています。

「電話リレーサービス」は、“自分とはあまり関係ないものでは?”と思っていた方も多いでしょう。しかし、毎月わずか1円とはいえ自身が負担することを認識すれば、捉え方もきっと変わってくるはず。海外の先進国では、すでに公的に整備が進められてきた「電話リレーサービス」ですが、日本では遅れをとってきたようです。今後、国内でこのサービスがどのように浸透していくのか。電話会社を利用する皆様とともに見届けていきたいものです。


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※掲載されている情報は2021年7月時点での情報であり、最新の情報と異なる場合があります。