生成AIを利用する際のリスク

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パソコンなどを使って指示を出したり質問したりすることによって、テキスト・画像・音楽・映像などのコンテンツを生成してくれる生成AIGenerative AI)が、昨今注目を集めています。既に大企業では生成AIの活用が始まっており、中小企業への普及も今後進んでいくと見られます。

今回は、生成AIとそのリスクについてご紹介していきます。

1.生成AIとは

生成AIとは、テキスト・画像・音楽・映像などのコンテンツを生成できる人工知能(AI)の一種です。生成AIはインターネット上の文書などを大量に学習し、プロンプトと呼ばれる指示を出すと、プロンプトに沿った回答が出力されます。代表的な生成AIサービスとしては、ChatGPT、Microsoft Copilot、Google Geminiなどがあります。

生成AIの特徴として、利用者が入力した文脈を理解した回答や、人間が思いつかないような回答を作ることができます。指示の際には高度な技術が必要なく、簡単に使えるという特徴もあります。

参照元(外部リンク):総務省 生成AIはじめの一歩 ~生成AIの入門的な使い方と注意点~
https://www.soumu.go.jp/use_the_internet_wisely/special/generativeai/

2.中小企業における生成AIの活用方法

中小企業での生成AIの活用方法としては、下記のような業務や作業が挙げられます。

  • ●メールやメールマガジン文面の作成
  • ●社外向け文書の作成
  • ●商品・サービスのキャッチコピー作成
  • ●タスクの洗い出し
  • ●プレゼン資料の目次作成
  • ●文書の校正や要約、言語翻訳
  • ●プログラミング・コーディング
  • ●情報収集・リサーチ
  • ●マーケティング戦略の策定

従来人が自分で考えたり、手を動かしたりしていた業務を生成AIに任せることによって、業務の効率化や売り上げの拡大などに寄与すると考えられています。もちろん、上記以外にも、生成AIの活用例はあります。

また、生成AI特有の対話形式を活用することによって、経営戦略・経営課題解決のアドバイス、ロゴ画像の作成、採用面接での質問作成など、幅広い分野でも生成AIの活用が見込まれています。

参照元(外部リンク):東京商工会議所 中小企業のための「生成AI」活用入門ガイド
https://www.tokyo-cci.or.jp/chusho/tcci_generativeai_guide_for_smes_ver02.pdf

3.生成AIを利用することによるリスク

これまで生成AIをうまく活用すると、業務効率化や売り上げ拡大などに繋げられる可能性があることをご説明しました。その反面、生成AIの利用にはリスクもあり、大きく分けると以下の3つが挙げられます。

  • ●著作権などの権利侵害
  • ●情報漏えい(流出)
  • ●不正確な情報を流布してしまう恐れ

著作権については、文章であれば作家や研究者ら、画像やイラスト、映像であればクリエイターや著作権を持つ企業や団体などの権利を侵害する恐れがあります。

情報漏えいについては個人情報や、企業の機密情報などを入力してしまい、それが外部に漏れる危険性があります。

不正確な情報とは、意図的または意識的につくられた嘘や、にせの情報、勘違いや誤解に基づく誤った情報のことです。そして偽情報・誤情報をそれと知らずに、インターネットなどを通じて発信してしまう可能性があります。

参照元(外部リンク):IPA・経済産業省 デジタルスキル標準 ver.1.2
https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/jinzai/skill_standard/20240708-p-1.pdf

4.生成AIに関するリスク対策

先に挙げたAIの活用に関するリスク対策についてご紹介します。

著作権の侵害リスク

まず、著作権については、「単に他人の既存著作物、作家名、作品の名称を入力するだけの行為は、必ずしも直ちに著作権侵害に該当するとは限りません」とされています。

ただし、「生成されたデータが、プロンプトに入力したデータや既存の著作物と同一・類似している場合は、当該生成物の利用が当該著作物の著作権侵害になる可能性もあります」とされ、注意しておく必要があるでしょう。

生成AIと著作権関連について詳しく知りたい方は、文化庁「AIと著作権」などが参考になります。

情報漏えいリスク

情報漏えいについては、入力された情報がモデル学習により、生成AI提供企業のデータベースに保存され、第三者に漏えいする可能性があると指摘されています。また、「文章生成AIは外部サービスに該当し、セキュリティ対策はサービス提供者に依存することから、機密情報や未公開情報を入力すると、万が一の場合、情報漏えいにつながるリスクが残ります。」との懸念があり、機密性の高い情報は入力しないようにしましょう。

不正確な情報を流布するリスク

生成AIにはハルシネーション(幻覚)という弱点があり、架空・虚偽の情報をあたかも実在のものとして回答することがあるといいます。

生成AIの活用にあたって注意すべきこととして「生成されたコンテンツを鵜呑みにせず、確実な情報源を基に必ずファクトチェックを行う必要があります」とされています。
また、「最新の情報を反映していなかったり、偏った価値観、アンコンシャスバイアス等が反映されてしまうこともあるなど、必ずしもその内容が「正確」とは限りません」と警鐘が鳴らされています。

参照元(外部リンク):東京都デジタルサービス局 文書生成AI利活用ガイドライン
https://www.digitalservice.metro.tokyo.lg.jp/documents/d/digitalservice/ai_guideline/

参照元(外部リンク):文化庁 AIと著作権
https://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/pdf/93903601_01.pdf

5.まとめ

生成AIは、文書や画像などを簡単に作ることができ、企業にとっては業務の効率化や売り上げ増加につなげられる可能性があります。その反面、著作権侵害や情報漏えい、不正確な情報の流布などを招いてしまうリスクも潜んでいます。

特に企業情報については、新製品や新サービスに関わる内容、企業の財務情報、顧客情報といった機密情報を入力しないことが求められるでしょう。
また、出力された情報の正確性・信頼性を自分で確認することや、生成AIサービスを提供する企業(サービスプロバイダ)の利用規約をよく理解・遵守することで安全性を高めていく必要があります。

教育現場においても生成AIとの付き合い方を模索しており、今後は、誰もが利用するデジタルツールとして社会に浸透していくものと考えられます。一般社団法人 ディープラーニング協会では、生成AIの利用ガイドラインのひな型を公開しています。生成AIを適切に利用できるように、こうした資料も参考に取り組みを進められてはいかがでしょうか。

参照元(外部リンク):文部科学省 初等中等教育段階における生成AIの利用に関する暫定的なガイドライン
https://www.mext.go.jp/content/20230710-mxt_shuukyo02-000030823_003.pdf

参照元(外部リンク):一般社団法人 日本ディープラーニング協会 生成AIの利用ガイドライン
https://www.jdla.org/news/20230501001/

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